2005/08

南アルプス

悪沢岳・赤石岳

毎年 7 月下旬と 8 月上旬は
梅雨明け後の晴天が期待出来る為、
週末に休みを付け足して
登山計画を組み込むことが多い。

今年は富士山に行った後、
翌週末の 7 月下旬を OFF にしたので
狙い目は自動的に 8 月上旬、
しかも晴天の予報がズラリと並んでいる。

行き先は特に決めてはいなかったけど、
2 年前の悪沢岳と赤石岳が悪天だったので、
そこのリベンジを行うことに。

今回は晴天下で写真撮れるかな・・・

2005 - 08 - 03
( 水 )
千葉
首都高速
東名
駒門 PA
2005 - 08 - 04
( 木 )
駒門 PA
清水 IC
畑薙湖
椹島
千枚小屋
2005 - 08 - 05
( 金 )
千枚小屋
千枚岳
悪沢岳
赤石岳
赤石避難小屋
2005 - 08 - 06
( 土 )
避難小屋
赤石岳
赤石小屋
椹島
東名
千葉


2005 - 08 - 03 ( 水 )    晴れ 時々 曇り

夕方、会社で天気予報を見ると
天気はまずまず。

凄い晴れからは
若干レベルが下がっているけど、
まあ大丈夫そうな天候みたい。

木金と休暇申請を出した時点で
もう後には引けず、山行が決定。

今週末は会社の人達と、予定が合えば
CashflowGame101 をやろうかという
話もあったけど、季節ものの予定なので
登山が優先で CashflowGame101 は見送り。

予定を空けていた人もいたので、
ちょっと申し訳ない感じもするけど仕方ない。

まあ CashflowGame101 は
天気に関係無くいつでもやれるしね−

退社前に留美姉から CashflowGame101 を
借りられないかと申請があったけど、
時間的に渡すことができないので、
その旨を伝える。( すみません〜 )
物を貸すのは構わなかったんだけどね。

荷物はだいたい前日集めておいて、
今日は基本的に詰めるだけ。

しかし風呂と準備で、希望の 21 時出発は
やはり無理で、21:40 頃出発。

お腹の調子があまり良くないようで、
やや不安もあったけど、今更仕方ない。

いつものように首都高速7号線は快適。
でも都心環状線から渋滞だぁ〜

外回りの方が流れているようだったので
芝公園の方から谷町へ。

谷町から東名までは
ダラダラと混んでいたけど、
東名に入ると急に流れ出す。
平日のせいかトラックが多い。

腹が減ってはいなかったけど、何か食べて
おかないとと思って海老名 SA で食事。

その後東名を走っていると、
眠気が襲ってきて、
仕方なく駒門 PA で仮眠することに。

本当は畑薙に着いてから仮眠の予定
だったけど、とても行けそうにないし、
あの山道を暗い中で走るのもどうかと
思っていたので、迷うことなく横になった。

やはり疲れていたのか、
わりと眠ることが出来たようだった。


2005 - 08 - 04 ( 木 )   曇り 時々 晴れ

目が覚めると3時半頃。
この先時間かかるのでそろそろ行かないと〜

清水 IC で高速を降りると、
そのまま静清バイパスを西へ走る。

国道 1 号線だけど造りは高速道路なので、
適当な降り口で下へ降りないといけないのに、
どこで降りるのかよく把握していない。
まあ適当で良いだろう・・・

下へ降りてしばらく走ると、
どうも左折らしい所を何となく直進してしまう。

適当に北へ走るも、どうも雰囲気が違う感じ。
途中で一度車を降りて看板を見るけど、
よく分からずにもう少し先まで走ってみる。

しかしどう考えてもおかしいので
登山と時と同じく、迷ったら分かる所まで
引き返すという原則に従い戻ってみると、
原因は最初におかしいと思った左折だった。

しばらく走ると、確かに以前走った
ような記憶がある雰囲気の景色。

さっき迷った所を無理して先へ行ってたら、
果たしてどうなっていたんだろう・・・?
たぶん全然違う所へ行ってしまい、
行き詰っていたような感じみたいだ。

あまり先へ進むと、コンビニが無さそう
なので、とりあえずコンビニに立ち寄り。

食料類を買い込み、
店員に畑薙の方向を確認する。
店員の兄ちゃんは、畑薙は知らなかった
ようだけど井川なら知っていた。

ここから先は井川湖、
そして畑薙へと向かうけど、結構長い。

松本 IC から沢渡までのように、
楽で近い道のりとは大違いだ。

走っているうちに眠気が襲ってきて、
たまに頭がフラッとしてしまう。
まずい、早く着かないと・・・

この分だと着いても 7 時過ぎ頃かな〜
バスが 08:10 発だから、
準備を考えると仮眠は無理そうだ。


畑薙第一ダム手前の駐車場に着くと、
車はそう多くはなかった。
週の半ばだからまだ少ないんだろう。

しかしまだ 1 時間以上もあるのに、
何故か登山者が集まっていて、バスもいる。

これからゆっくり準備をしようと
思っていたら、なんと臨時バスが出るので、
乗りたい人は早く準備をしてくださいと
アナウンスしているじゃないか。

う〜ん、でも困った。

朝から髭を剃るつもりで、
二日間ぐらい剃ってなかったので、
このまま行ったら凄い顔での山行に
なってしまいそう。 どうしよう・・・

結局、髭剃りは諦めて
急いで支度をして列に並ぶ。
前回の経験があるので、
1 分でも早く椹島へ着きたいし。

バスに揺られること約1時間。
途中でなぜか右腕がやたら冷える。

冷房はなかったようだが隙間風のようで、
長袖をかけたが、まだ冷たかった。

途中で運転手さんが、朝は見えていたけど
もう赤石岳は見えないねぇ〜 とアナウンス。

まだ 8 時過ぎなのに、
ガスが沸くのが早過ぎないか・・・


椹島に着いたのは 08:20 頃で、
前回より 50 分ほど早い。

今日は良いお天気みたいだけど、
果たしてどうだろう。

準備を整えて 08:40 過ぎに歩き出す。

のっけから結構な登りだけど、
こんな登りなんてあったかな・・・

そしてすぐに林道に出ると、
5 分ぐらいは、しばらく車道歩き。


先を歩いていた夫婦は、橋の袂で
道の確認の為に立ち止まっていたので、
道を知っている私が先に行かせてもらい、
橋の傍から本当の山道へと入る。

入ってすぐの所に小さな滝があった。
こんなのあったっけ・・・?

写真を撮って進むと樹林が深くなり、
天気も曇りがちになってくる。

曇りがちというより、晴天なんだけど
山にガスがかかっていてその中って感じ。

そう暑くないかと思っていたけど、
とんでもない。
汗が止まらず噴出し続ける。

もともとこの山域は人が少ないようで、
前後には人の姿が殆ど見当たらない。


しばらくすると吊り橋に出る。

吊り橋自体は小さくないが、歩く部分は
木道だけなので、ちょっと細いねぇ〜
高所恐怖症の人には少し辛いかも・・・

さしあたり、最初の 2 時間程で
気にしていたのは、前回今ちゃんと一緒に
来た時に休憩した鉄塔(?)らしき場所と、
陽が射して木漏れ日が綺麗だった
写真を撮った場所を確認すること。

何ってことはないけど、
ちょっと気になってた。

しかしいくら進んでも、
両方とも出くわすことはなかった。

景色が変わったのか、
自分が気付かなかったのかは
不明だけど、ちょっと残念。


次の林道を横切る所でミニ集団を追い越す。

ミニ集団は少し休憩らしいので、
先へと進むけど、変わり映えのしない
同じような樹林の道が続く。

更に進むともう一度林道に出る。
ここでしばらく休憩、時間は 10 時台前半。

若い兄さんが先に休憩していたけど、
ザックに三脚が積んであった。
この人も写真撮るのかな・・・

ここから先も人は少なく、黙々をした歩きが
続くけど、前半よりは少し人が増えた感じ。

途中でちょっと休憩した時、
さっきの若い兄さんとちょっと話をする。

昨年来た時、
雨の為千枚小屋に泊まっただけで
悪沢岳へは行かずに下山したそうだ。
だから今年はリベンジで悪沢、赤石、聖を
狙うそうで、やはりアクセスの悪さの為、
一度で全部済ませようという考えらしい。

まあそうなるのは仕方ないよねぇ〜
自分も2年前同じ考えで実行したから。
まあ、雨で最悪だったけど・・・ 泣


しばらく歩いていると、
急な登りの手前に水場があったので、
荷物を降ろしてしばらく休憩。

折角なので水に手を浸けてみる。
そう冷たくもないなぁ・・・と思って
しばらく浸けていると、あっという間に
冷たさで手が痛くなってしまう。

高い山の沢の水をナメて
かかってはいけないのだ。


水場を後にして更にボチボチ
登っていると、蕨段に出た。

ちょっと広めになっている場所
だったので見覚えがあった。

小さな道標があったと思ったけど、
無くなっていた。


確か見晴台はここからそう遠く
なかったなぁと思いながら登ると、
確かに間もなく見晴台に出た。

といっても、単なる登山道の途中だけど。

ここから赤石岳がよく見えるらしいが、
今日はガスに隠れて全然見えない。

時間を見ると 12:40 頃で、前回はここで
14 時だったから、今日は早いねぇ〜

地図ではここから 3 時間になってるけど、
前回バテバテで登っても 2 時間半程
だったから、今日は 15 時過ぎには
着くのかなと期待が持てる。

景色も見えないので、20 分程休んで出発。

時間も早いし、ここからは勾配も緩くなる。
前回より体の疲れ方も少ないので、
随分と楽な気分で歩き出せる。

登りながら小さな緑の虫が沢山纏わり
ついてくるので、なかなかウザったい。

駒鳥池に着くと、さっきの若い兄さんや
他の登山者も休憩している。

ザックを降ろすと、緑の虫が
沢山ついていてちょっとびっくり・・・
タオルでかなり叩くけどなかなか落ちない。


駒鳥池は少し奥に入った所にあったけど、
どう見ても単に雨が溜まっただけかと。
あれを果たして池というのだろうか・・・

ここに千枚小屋まで 1 時間と書いてあるが、
前回はこの先で異常にバテてしまった。
しかし、今日は大丈夫そう〜♪

駒鳥池を出ると、最後の樹林帯を歩く。
人も少なく相変わらず静かで、
白樺がちょっと美しい。


案の定、思ったよりも早く、
15 時頃に千枚小屋に到着する。

既に小屋の周囲はガスで何も見えない。
まあ夕方は当然だね〜

ここのところ、
ずっと同じような天気が続いていて、
朝だけは良い天気だけど、
10 時頃からは、もうガスに巻かれ
始めてしまうそうだ。

受け付けをすると、
今日の寝る場所は本館の 2 階らしい。

夕食は 18 時で、
朝食は 5 時が一杯の為、4 時半か 5 時半。
5 時半では遅いので、4時半にしてもらう。

本館の 2 階に上がると、スペースが
一人分きっちりなのはしょうがない。

外にいても仕方ないので横になって休む。

一度に 26 人しか食事が出来ないので、
30 分おきに食事のお呼びがかかる。

18 時から食事だったが、
あまり沢山は食べることが出来なかった。

横で沢山お代わりをしている人を見ると、
食の細い私としてはちょっと羨ましい。

食事の後、タオルを少し水に濡らして
ストーブで乾かすけど簡単には乾かない。
寝る時にザックに広げておけば良いか・・・

周囲も暗くなり、
いつしかお休みモードになっていたが、
そのうち客の誰かが、
下で従業員に文句を言っていた。

消灯時刻を過ぎているのに、
ガタガタしているから
煩くて眠れないみたいだった。

時計を見ると 20 時半。
消灯が 20 時だから確かに消灯後ではある。
しかし自分は素直に賛成出来なかった。

登山客同士の間で、喧しい時に
ゴタゴタが起きることはよくあるけど、
従業員に文句というのは珍しいような・・・

山小屋の従業員の場合、
私達登山者が食事を終えてから、
食事をしたり後片付けをしたりするし、
翌朝もたぶん 3 時頃から準備が始まる筈。

だからそもそもが大変だし、
20 時台ならガタガタしていても
不思議ではないと思うのだけど・・・
普通の小屋の消灯は 21 時だしねぇ〜

登山客なら消灯後に喧しい奴が
怒鳴られるパターンはよくある話で、
それは消灯までに準備を済ませるという
原則を守れない奴に問題があるけど、
従業員は仕事だがら仕方ないと思う。
だから自分はあまり気にならなかった。

そのうち少し静かになったようだけど、
ああいう客に当ると、
従業員も気の毒だと思う。

寝袋は用意してあったけど、暑いので
薄めの毛布を体にかけただけで十分だった。

特に激しい鼾等に悩むこともなく、
夜は更けていった。
といっても、いつものように
深く眠れる訳ではなかったのだけど。


2005 - 08 - 05 ( 金 )    晴れ 時々 曇り


時計を見ると3時半。
そろそろ行動開始の時間だなぁ〜

4 時半から朝食なので、
4 時には起きないといけない。

周囲も早い人はボチボチ行動を
開始しているようなので、しばらくして
外に出てみると、東の方が薄っすらと
明るくなりかけているのが分かる。

上空には少し星も出ているのが見えた。


この空の感じなら、陽が昇った後に再び
雲に隠れて曇り空になることはなさそうだ。

小屋に戻り、携帯から画像が送れる場合を
考えて、若様の会社のアドレスを登録する。

アンテナは1本立つか立たないかって
感じだけど、稜線ではどうだろうかね〜


4 時半から朝食だけど、あまり食欲が無い。

本来ならお代わりしたいけど、
お腹がおかしくなっても困るので、
普通に済ませる。

2 階で準備を済ませて小屋の外に出ると、
すっかり明るくなっていて、ライトは不要。

右の方に見えるのは笊ヶ岳みたい。

この天気なら今日一日、午後曇ることは
あっても、大きく崩れることはなさそうね〜


前回の山行が本当に酷い天気だったのを、
しみじみと思い出してしまう。

この前ここを出発する時はまだ真っ暗で
星がキラめいていたけど、今日はもう
明るいので、また新鮮な雰囲気がする。

もうすぐ 5 時になるので、
そろそろ出ようかと思っていたら、
僅かの差で団体が先に歩き始めてしまった。
大失敗だ・・・


ここから千枚岳へは、しばらく草や樹木に
囲まれた狭い道を進む為、団体のケツに
ついてしまうと、なかなか追い越せない。

まあ歩き始めだからゆっくりで良いし、
振り返った景色や花を撮るからまあ良いか。

千枚小屋のすぐ上は高山植物が多い。


高山植物の間を登りながら振り返ると、
まだ少ししか歩いてないのに
それなりに高度を稼いでいる。
ここは結構勾配があるんだね〜

そのうち団体の先頭が気付いたようで、
道を譲ってくれた。

しかしケツにいたのが私だけで、
その為に横に逸れた団体が 15 人程
いたので、ちょっと申し訳無い気も・・・


でもマナーといえばマナーかなぁ・・・

団体の前に出るとスピードが上がる。

付近が明るくなってきたので振り返ると、
樹木の間から綺麗な赤い色をした太陽が
顔を覗かせた。  晴天はこれからだ〜〜

稜線に出た時のことを考えると、
結構ワクワクするねぇ〜


ここの樹木のトンネルは、
人工的に造られたものではなく、
自然に出来たものと本に書いてあった。

前回は真っ暗だったので、何となくは
分かったけど、よくは見えてなかった。

樹林を抜けて左に折り返すと、
向こうに待望の赤石岳が見えた。

こんなにすっきりした空の下では観るのは
初めてなので、かなりの感動だ〜!


もう少し登ると、ついに稜線に出る。
谷風が吹き上げてきて涼しい〜〜

ここからは、荒川三山や赤石岳、
聖岳まで全部見える。
久しぶりの感動って感じ〜♪

前回ガスで何も見えなかったことや、
最近稜線から良い景色を見ていない
こともあったから、感動も倍増。

千枚岳への稜線を登りながら
東側を見ると、雲海が広がっていて、
富士山は遠くに頭だけが見えている。


      千枚岳   2880 m

しばらく登って千枚岳へ到着すると、
北側の展望も開けて、
塩見岳や白峰三山も見えるね〜


麓には薄っすらガスがかかっていて
霞んだ感じだけど、十分な眺め。

山頂標識の写真を撮るのに
しばらく待たされていたので、
ちょっとソワソワしてしまう。
後ろから団体が来ていたからだ。

団体の姿が向こうに見えた頃、
やっと撮影することが出来た。
写真を撮るのに団体は邪魔でしかない。


ここから丸山へは、一度岩場を降って
それから緩い斜面を登って行く。

先を見ると、朝食無しで先に出て行った
昨日のお兄さんが登っているのが見える。

半分ぐらい登って行くと、
前回太った雷鳥を見た場所を通過。
あの雷鳥は本当に太っていたねぇ・・・


      丸山   3032 m

程なく丸山に到着すると、
休憩している人が沢山いる。

私もここではザックを降ろして大休止。
三脚を広げて周囲の写真を撮る。

やや霞みはあるものの、
遠くまで見通しが利くので問題はないね〜


ここで長居している間に悪沢岳にガスが
かかってはマズいので、さっさと出発。


少し進むと、岩場やガレ場となる。
そういえばこんな所があったねぇ。


でもたいした距離は無く、既に悪沢岳の
標識が見えているので、全然問題無し。


  荒川東岳 / 悪沢岳  3141 m

思ったよりも早く山頂に到着すると、
あまり人は多くなかった。

時間はだいたい7時半頃。 丸山同様、
ここでもあちこちで写真撮影に勤しむ。

前回の時は視界が 10 m 程しかなく、
霧雨も降っていたもんねぇ・・・


それに比べると雲海はあるけど、
上空は快晴の真っ青な空〜〜♪
やっぱり山は天気だよねぇ!!

西側を見ると、前回遠く感じていた
中岳がすぐそこに見えた。
( 近いじゃないか〜 )

北西側は地平線に近い部分がずっと
紫色に染まっていて、青空との境目が
綺麗に水平になっているのが不思議だ。


山頂を後にする頃には、
赤石岳にもガスがかかり始めていた。
まだ 8 時台前半なのに、ちょっと早いよ。

赤石岳は無理としても、
荒川三山は晴れのうちに行きたいから
さっさと出発することにして降り始める。

悪沢岳の西側の降りは急だという話で、
実際上から眺めると、なんじゃこりゃ〜
っていう程、かなりの急降下じゃないか。

こんなに急だったかな〜と思ったけど、
確かに急な所を降りたような気がする。

前回はガスで周囲が見えなかったから、
向こうの中岳側が見えなかったから
あまり印象に残ってなかったのかな。

それにしても勿体ないよねぇ。
すぐ後でまたあんなに登り返すのに〜
水平に行かせろよ、って感じ。

 ( 上 )紫が千島桔梗   ( 下 )オレンジが車百合


この辺は高山植物が多いらしいけど、
確かに花が沢山咲いている。

でもそんなに密集していると
いう程でもない感じね。


鞍部を過ぎた辺りで、携帯で撮影&送信を
試みるけど、電波が弱くて送信エラー。
また登ってからチャレンジしてみよう。


        荒川避難小屋

しばらく登ると、急に避難小屋が見えた。

登りで疲れたので、避難小屋で休む
つもりだったけど、特に何も無いし、
すぐ先に中岳があるので、ここは通過。

遅い朝の小屋は本当に静かだねぇ。


     荒川中岳  3083 m

少し歩くと、すぐに中岳山頂。

休んでいる人もわりといる。
赤石岳辺りはすっかりガスの中に
なったけど、上空は相変わらずの快晴〜

ここでも大休止にして写真を撮る。
やはり晴天下で写真を撮るのは楽しい♪


振り返ると、向こうには歩いて来た
悪沢岳がまだ見えている。

最近は午前中からガスで見えなくなって
しまうらしいから、今日はラッキーだ。

でもこんな光景のところだったんだねぇ。

前回はガスの中を歩いていたせいで、
何も見えなかったから、
まるで初めて歩いているみたいだ。


向こうには前岳が見えている。
ガスに隠れないうちにと出発。

少し降った所に下へ降りる道との分岐点が
あるけど、前回来た時とは全然印象が違う。

同じ所なのにガスの中と全部見えて
いる時とでは、だいぶ違うねぇ。

分岐点に荷物を置いて、空身で前岳へ行く。
空身って本当に軽いから楽よねぇ〜!


     荒川前岳  3068 m

前岳でも写真を撮るけど、撮影場所の方が
下になるので、背景は空しか写らない。

そういえばこれまでの悪沢岳も中岳も
全部そうだった。  標識を建てる時に
もう少し考えてくれれば良いのにね。
標識はピークだからそうもいかないか・・・


北西側は綺麗に遠くまで見えるけど、
南側の赤石岳は既にガス中。
中岳と悪沢岳はまだ見える。

北側の塩見岳や白峰三山の方は
もうガスが涌いて見えない。

中岳の方へ戻り、分岐点で荷物を担ぐと、
ここから荒川小屋までずっと降り。


しばらく砂っぽい斜面を降る。
風が無くなるとかなり暑い〜〜

たまに後ろを振り返ると、
北側はガスが無いので、
爽やかな青空と稜線が見える。

悪沢岳もガスがかかりそうなわりには
なかなか隠れることなく、ずっと見えていた。


右に折れる所から下はお花畑が広がる
筈なのだが、何故かお花が少ない。

2 年前の 7 月下旬に来た時は、
わりと沢山咲いていたのにねぇ。

10 日弱ぐらいでそんなに変わるとは
思えないけど、天候的に何かあったのか?

ちょっと期待していたので、
やや拍子抜けだけど、まあしょうがない。


下の方に降りてから振り返っても
やっぱり花が少ない。

折角この青い空と広い緑なんだから、
黄色の花が多ければ良い景色なのに。

緑の中を降って行くと、
向こうに小さく荒川小屋が見えてきた。


ガスに隠れていた赤石岳がいつの間にか
綺麗に見えている。( おお〜〜〜! )

少し先にチョボチョボと水が流れて
いたので、ちょっと休んで手を浸ける。

ここもまた、少し長く浸けていると
手が痛くなるぐらい冷たい。

最初に浸けた時はそう冷たく
感じないのに、なんか不思議。

狭い道を降りて行くと、
そのうち荒川小屋に到着。


休憩場所があるのは小屋の先なので、
先ず小屋の前を通過すると、
10 時台なので小屋は誰もおらず、
とても喉かな感じ〜

休憩出来るテーブルの所に行くと、
空いていたのでここで大休止。

沢山食べようという気分でもないけど、
何か腹に入れておかないとちょっと
面倒なのでどうしようと考えていると、
小屋の壁のメニューボードが目に入る。

スイカ残り少しというのが気になった。
スイカねぇ・・・・・


普段食べることがないし水分補給も必要な
ことから、結局スイカを食べることにする。
( こんなきっかけでもないと食べんなぁ )

赤石の避難小屋は水が無いだろうから、
水を補給しようと
トイレの方に行くけど見当たらない。

その辺をグルグルしながらしょうがなく
人に訊いたら、もっと向こうだって・・・
行ってみると確かにあった。

水は結構冷たく、やはり手を浸けると痛い〜

戻って準備をしてから荒川小屋を後にする。

しばらく茂みの中を進むと、
思ったよりも急な勾配でちょっと疲れる。


茂みを抜けると、開けて勾配も少なくなり、
先の方までずっと見通しが良くなった。

大聖寺平辺りまでは緩い登りだけど、
問題はその先の小赤石への登り。
見ただけで疲れそうだ・・・

手前で休もうかなと思って歩いて行くも、
休憩に適した広い場所がない。
確か広い所があったと思ったけど・・・

そのうちちょっと先で、
いつもの兄ちゃんが休んでいたので、
荷物を降ろしてひっくり返ってしまう。
あ〜〜、肩と首が痛て−!!

距離はそうたいしたことはないけど、
疲れた体にはなかなか厳しいねぇ。

見上げると若干憂鬱ではあるけど、
まあ仕方ないのでしばらくしてから出発。

結構な勾配なので、足が遅い遅い。
しかし急勾配な分、
大聖寺平はどんどん下の方へ離れていく。

振り返りると、
麓にガスはかかっているものの、
悪沢岳が綺麗に見えている。

午前中は見えるとしても、
午後はガスで見えないと思っていたから、
へぇ〜と思ったけど、時計を見ると
まだ午前中じゃないか−!

途中でどうにもきつくなって、
また荷物を降ろして休憩。

抜きつ抜かれつの人達が前を通って行く。

休憩を終えて急な登りを登って行くと、
さっき前を通っていたおじさんに追い着く。

おじさんと一緒になってすぐの所で
稜線となり、向こう側の景色が広がると、
思っていたよりは景色が見えた。
ガスで駄目かと思っていたから良かった。


この辺が小赤石岳ですかねぇ〜 と
おじさんと話が始まる。

実は小赤石岳はもっと先なのだけど、
すっかり頭から消えていて、
どのくらい先だったかよく覚えていない。

しばらく行くと、前回確か
休憩したなぇという所が見えた。

あの時は完全に周囲がガスの中で
何も見えなかったけど、
今日は随分とマシな天気。

一応晴れているし・・・
でも赤石岳の方はガスで見えない。

休まず進んで行くと、
小赤石岳が見えてきた。
広くて標識がちゃんと建っている。

そうだ思い出した。
前回ここで他の人に記念写真を撮って
もらったら、そのオヤジがなかなか
シャッターを押さないので、
イライラしたことがあった。

構図に時間をかけたわりには、
たいしたことない写真だったねぇ〜
あのおじさん。


     小赤石岳  3081 m

小赤石岳でしばらく休憩とし、
ザックに着けている銀マットを広げて
しばらく横になる。

とりあえず記念写真を撮るけど、
しばらくするとガスが取れて青空が〜

急いでもう一度、記念写真を撮る。
やっぱり空は青い方が良い。


一緒だったおじさんは先に出発。

ここからはもう先に赤石岳の山頂が
見えているので、精神的に楽だけど、
最後に少し急な登りが待っている。
それが本当の最後の登り。

さて出発するかぁ〜

しばらく平坦に近い道を歩いていると、
おじさんが何やら立ち止まっていて、
何だ? と思っていると、すぐそこに
雷鳥がいるよと教えてくれる。

見るとすぐ傍の岩の上に雷鳥の
親鳥がいて、近くには子供がいた。


当然いつも見られるものでは
ないので、何枚か写真を撮る。

雷鳥( 国の天然記念物 )に会えるとは
運が良いなぁと、ちょっと満足。

でも雷鳥は天気が良くない時に表に出て
来ることが多いらしいんだけどねぇ。


しばらく進むと、
程なく東尾根との分岐点に出る。

この先最後の勾配の上に
赤石岳の山頂が見えていて最後の休憩。

今日、ここから 2 時間強降った所に
ある赤石小屋に宿泊する人達は、
皆ここに荷物を置いて、
空身で赤石岳を往復しているみたい。

少し休んでから最後の登りを登り始める。

以前はガスで見えなかったけど、
今日は午後になってもわりと見えている。

疲れているのでキツそうに
思えたけど、短い区間なので
しばらくして山頂が見えてきた。

登りが終わり、平坦な山道の向こうに
山頂が見える頃、ふと前を見ると
またしても雷鳥の親子がいる。

3 羽で這松を出たり入ったりしている。

私の足元をチョコチョコ子供が歩いていて、
人慣れした東京芝公園の鳩みたいだ。

しばらくカメラを構えていたが、
なかなか親子が一緒にならなかったので、
諦めて山頂の方へ歩いて行く。


    赤石岳山頂  3120 m

とうとう赤石岳山頂だ〜〜!!
あ−疲れたねぇ・・・

荷物を降ろすと、ほんとに一息って感じ。
足が疲れてもう歩くのは嫌って感じだ。

前回は更にここから百軒洞まで歩いたの
だから、やはりちょっと無理があったよ。

山頂到着は13時過ぎ頃で、
午後のんびりするには良い時間。

一応周囲の景色は見えてはいるけど、
当然午後だからガスも多い。
でも前回に比べれば全然マシ。

前回は上空が青かっただけで
周囲は白だったからね〜

山頂にはそう多くはないけど、
まあまあ人はいる。

しかし赤石小屋泊まりの人は
しばらくすると降りて行くので、
まあ人は少なめかな。


今日泊まる赤石岳避難小屋は
100 m 程向こうに見えているので、
もう何も心配することなく
山頂でのんびりできる。

ガスがあるので、
そう沢山写真を撮るわけじゃないけど、
のんびり出来るのはやっぱり良いね〜


しばらくするとおじさんがやってきて、
疲れた〜 と言って山頂で休んでいる。
どうやら避難小屋の管理人さんらしい。

ここ数日は避難小屋の客が多いそうで、
2 年前に来た時は、客がいなくて困ると
バイトの兄さんが言っていた話をすると、
彼は根性がなくて続かなかったそうだ。
山小屋の仕事は大変だからね〜


最近は午前中からガスが沸き、
景色が見えないことが多いそうだけど、
朝は見えるそうだから、明日に期待しよう。

小屋の受け付けの時間を聞くと、
早い方が良いそうで、遅くなると
寝場所の割り当てが無くなるそうだ。

山頂で一緒にいたおじさんから、
明日聖岳まで行きたいのだが・・・
という話が出たので、
それなら今日百軒洞山ノ家まで行かれて
おいた方が良いですよ、とのアドバイス。

聖岳を越えて聖平小屋まで行くなら、
ここからだと明日が厳しいと思う。

でもここから百軒洞山ノ家まで
これから行くのも、
降りとはいえ疲れると思うけど・・・

管理人さん曰く、
17 時までに着けば食事が出るから、
小屋から電話してあげるそうで、
おじさんは百軒洞山ノ家へ出発された。
無事到着されたかな・・・?

そういえば初日から一緒だった兄さんも、
ここに泊まるか百軒洞山ノ家へ行くか、
随分迷っていたようだったけど、
どうしたんだろう?

管理人さんが避難小屋へ向かったので、
しばらくして避難小屋へ降りて行くと、
途中でまたしても
雷鳥の親子が歩いているじゃないか。
なんで今日はこんなに多いのだ?

さすがにもう写真は撮らずに、
避難小屋の方へ歩いて行くと、
登山客が皆外で待っており、
受け付け待ちの列が出来ていた。

管理人さんが受け付けと寝場所の案内を
一人でされていたので、
随分受け付けに時間がかかり、
30 分近く並んで待ったような気がする。
一番最後だったし〜 笑

シュラフは持ってはいたものの、
ザックから出すのが面倒だし、
昨夜も暑かったので、寝具が必要か聞くと、
たぶん要らない、暑いよ、とのことで、
寝具は借りなかった。

寝る部屋にはザックが置けないので、
ザックは入り口の所のバーナーが
使える部屋に置くことになっていた。

お菓子類を取り出して
外のベンチで落ち着くことにする。

水が貴重なので、
ここでは冷えてなさそうだったけど
CC レモン 500 ml を買ってみる。
まあ飲めないほどの温さではなかった。

向こうの方に
聖岳がわりと綺麗に見えている。
結構デカいんだえねぇ、聖岳。

隣に座ったおじさんと話が始まり、
おじさんは三伏峠の下に車を置いて
荒川三山と赤石岳を回ってから
三伏峠に戻るのだそうだ。

三伏峠と荒川前岳の間はさすがに
人が少なく、泊まった避難小屋も
客は一人だったそうで、そのうち
傍にいた親子 3 人組みも話に混じる。

この親子は静岡から来たそうだが、
やっぱり静岡から畑薙までの
道のりが長いという意見だ。

だよね− そこだけで 80 km 程あるし。
松本 IC から沢渡までとは
距離も道の走り易さも全然違うよ。

静岡在住なら良いけど、他から来ると
高速道路の移動でまず疲れてしまうから、
やはりここのエリアは、
そういつも来れる場所ではないよねぇ。

三伏峠から来たおじさんは埼玉の人で
中央道利用かと思ったら上信越道
だそうで、そっちの方が早いそうだ。
ちょっと意外〜

しばらくするとガスも増えてきて、
寒くなってくる。

15 時を過ぎる頃になると、
ガスに巻かれて何も見えなくなっていた。

明日は景色が見えるかな〜と思いながら
小屋に入り、2 階で休むことにする。

2 階でず−っと横になっていると、
下からやたらデカいおじさんの
話し声が絶えず聞こえていた。

そのうち 17 時頃になったけど、
腹は全然減っていない。

何か入れないと夜中に腹が減った時に
困るなぁとは思っていたけど、
面倒なのでそのまま寝ることにする。

毛布は一人に一枚割り当ててあるが、
予想通り全然必要無い。

他の人達は皆シュラフを広げていた
ようだったけど、暑くないのかな?

15 時から横になっているので、
随分時間が経ったように思って
時計を見てもまだ 21 時頃。
う〜ん、今夜は長そうだ・・・


2005 - 08 - 06 ( 土 )    曇り 時々 晴れ

3 時、長い夜がそろそろ
終焉を迎えようとしている。

しかし夏至の頃と違い、
さすがに行動するには時間が早過ぎる。

日の出が 5 時前後なので、
朝食時間を考えても
4 時頃から行動すれば良いだろう。

4 時近くになると、
周囲でも行動する人が増えてくる。

外はまだ暗くて、
どうやらガスに包まれている様子。

毛布だけ畳んで下に降りて行くと、
火が使える入り口がもう賑わっている。

ザック置き場を兼ねている為、当然だね〜

座る場所はわりと空いていたので、
ザックから食事用の荷物を取り出して
朝食の準備を始める。

久しぶりにフリーズドライの五目御飯を
食べることにして、お湯を沸かそうと
いつものようにストーブを点けようと
するけど、何故か点かない。

困った・・・ 火が点かないと
御飯が食えんじゃないか。

まずいなぁ〜 と思っていると、
傍にいた人から、ガスの出力量が
多いのでは? とアドバイスを頂いた。

風が無い所ではガスの出力量を
微量にしないと点かないらしく、
確かにそうすると点火成功。

へえ〜、今までそれは知らなかった。
適当にやっても点いていたのにねぇ。

お湯で戻して五目御飯を食べていると、
反対隣に座っていた夫婦らしき方が、
この手の食料をご存知なかったらしく、
お湯だけで戻るし種類も多いですよ、
という話になった。

すると、更に隣にいた人が、
そのフリーズドライは
うちで製造しているんです、だって〜

テント泊をする人なら誰でも知って
いるだろうけど、そうでない人は
高い山に来る人も知らないんだねぇ。

食欲がそうあるわけでも
なかったので、全部食べられず、
残りは昼に回すことにして終了。

片付けて外に出る頃には、
もう明るくなっていた。

しかし周囲はガスに包まれていて、
何も見えないじゃないか〜〜

しばらくしたら晴れてくるんだろうか?
いや〜、ここでは絶対晴れて欲しいもの。

しばらく小屋の前を
ウロウロして様子をみるけど、
ガスが取れたり巻かれたりの繰り返し。

上空には青い空が見えているので、
悪天候になることはなさそうだけど、
景色がねぇ・・・

いつまでもここに居てもしょうがないし、
バスの時間もあるので、
管理人さん達に挨拶し、
5 時過ぎ頃、真っ白の山頂に向かうと、
山頂には数人がいるだけだった。


山頂もガスに包まれていて、
時折り太陽の輪郭だけが
見えたり隠れたりしている。

とりあえず三脚にカメラをセットして
待つしかないけどが、結構寒いぞ。

さすが 3000 m 超、夏でも気温が低いし、
風もあるので体感温度は更に下がる。

晴れる様子は無さそうだけど、
とりあえず時間がある間は
粘るつもりなので、ひたすら待機。

そのうち一瞬ガスが取れて、
遠くの富士山まで見通すことが
できる瞬間がやってきた。

周囲から歓声が上がるが、本当に一瞬で
撮影を準備する時間が無かった。 残念!

また晴れるかもしれないから
準備だけしようかとも思ったけど、
どうも晴れそうな感じがしなかったので
そのままにしておいたらこれが仇となる。

その後またチャンスが来たにも拘らず、
今度は設定の為に一呼吸の間を置いたら、
その間に富士山が隠れてしまった。

今度は大ショックだった・・・
一先ずシャッター切れば良かった〜! 泣

無念の気持ちが残りつつ更に待つも、
今度は晴れる兆しは現れなかった。

そのうち周囲も下山を始め、
山頂に残っているのは
私とおじさんの二人だけ。

とりあえず、6 時まではここに居ても
問題無いけど、6 時を回ったら
どうするか決めないといけない。

果たして写真を撮り損なった
ままで下山となるのか・・・

え〜赤石岳にまた来ないといけないの?
遠いってば−、それ〜


晴れる兆しが見えないまま、
悶々とした時が過ぎていく・・・

すると、もうすぐ 6 時という頃、
太陽の輪郭が見えると同時に
青い空が見え始め、
急にガスが強風で取れ始めた〜♪

おお〜〜、見えた〜〜!!
今度こそ撮るぞぉぉぉ〜!


今度は上空のガスが完全に
取れたので、しばらくは遠景まで
見える状態が続きそうだ。

急いで富士山の方にレンズを向けて、
露出補正を設定し、シャッターを切る。

次に北東方向の雲海を撮るが、
その後すぐに雲海のガスが
強風で湧き上がってきて、
また山頂はガスに包まれてしまった。

しかしさっきのおじさんと二人で、
見えましたねぇ〜!! という
感動に浸ったのは言うまでもなかった。

その後再びガスに包まれ、
もう見えそうな気配もなくなり、
6 時も回っていたので、
おじさんと一緒に下山を始めた。

分岐点で挨拶をすると、
おじさんは荒川三山の方へ行かれた。

ガスに包まれているので、
この先はきっとちゃんと写真を
撮ることはないだろうと思い、
三脚を片付けると、ここからは
初めて通る東尾根へ足を踏み入れる。

ひたすらガレ場の降りが続き、
周囲には誰もいない。
ガスの中なので視界は
20 〜 30 m って感じかな。

赤石小屋に泊まった人は、
昨日ここを降ったわけだけど、
足が疲れた状態でここを降るのも
ちょっと大変だっただろうねぇ〜

登って来る人は誰もいなかったけど、
しばらく降るとポツポツと
すれ違うようになった。


右側の岩場を水が流れている場所では
結構下から登って来る人達がいる。

大学生らしきパーティとすれ違うと、
皆さん荷物がデカいねぇ〜
テント泊は大変だ。

若いお姉ちゃんも混じっているけど、
頑張るねぇ〜  凄い、偉い!

この辺りは高山植物が沢山咲いている
場所のようだけど、時期が遅いのか
どうもそんなに咲き乱れて
いるというほどの感じでもない。

花の量がやや少なめみたいね。

花を沢山撮ってはみたものの、
最短撮影距離を割り込んで撮影した為、
ピントが外れているものが多い。
( 中望遠の 85 mm ではまだ足りない )

Web に載せる時は
切り取って拡大出来るから良いけど、
フィルムからプリントの場合は、
やはりマクロレンズでないと
ちょっと小さくなってしまう。

[ 左 ]細葉鳥兜   [ 右 ]兎菊

[ 左 ]白山風露   [ 右 ]高嶺松虫草

[ 左 ]信濃金梅   [ 右 ]高嶺群内風露

鳥兜は種類が沢山あるので、
区別が難しく正しいかどうか不明。

細葉鳥兜か深山鳥兜か迷ったけど、
他の種類もよく似ているので
結局分からん・・・

高嶺松虫草は画面左下の花で、二日目の写真。
陽の当り方が違うからバレるね。笑

水場を離れて細い道を進むと、
やたら登りが多いのはどういう訳?

下山なんだから降らせろよ〜
登るのは勿体無いんだよぉ〜
どうせ降らないといけないのに。

しばらく進んだ所にまた水場があって、
山頂にいた夫婦が休んでいた。

遅いから沢山休憩しているそうで、
しばらく私も休んで立ち話をしたけど、
確かにこの夫婦、
随分ゆっくり降りている感じがして、
バスが大丈夫だろうかと少し心配になる。


夫婦と別れて先へ進む。

樹林の合間から右の方を見ると、
聖岳東尾根が見えるけど、
上部はガスで見えないものの、
麓には陽が射して
下界は天気が良さそうな感じだ。

長袖を着ていたら暑くなり、
どっかで休んで脱ごうと思うけど、
なかなか休むのに適した場所がない。

ダラダラ進んで行くと、
両脇が切れ落ちた場所から
涼風が吹き上げる涼しい所があり、
思わず立ち止まって涼んでしまう。

あっという間に涼しくなったので
服を脱ぐのを止めて、先へ進む。

良い加減、そろそろ富士見平らしき所に
出ても良いのにと思いながら進むけど、
なかなかその兆しが見えない。

ガスで先が見えなくて予測がつかず、
少し長く感じているのかもしれない。


そのうち登り坂になり、登っていると、
先の方の樹林が無くなっているなので、
やっと富士見平かなと思っていると、
標識は無いけど、見晴らしの良い場所。

どうやらここが富士見平らしい。

山の方はガスの中で何も見えないけど、
天気が良ければ、悪沢、赤石、聖、
全部綺麗に見えるんだろう。


特に休むこともなくさっさと通過して、
再び樹林帯の降りをどんどん進むと、
遠くに赤い屋根が見える。

おそらく赤石小屋だと思うけど、
まだちょっと距離があるねぇ〜

地図で 30 分なので、たぶん 20 分程で
着く事を期待しながら降りていると、
初めて登山道に眩しい陽が射してくる。

ようやくガスから
解放されるのかと思ったら、
陽射しを受けたのは少しの間だけで、
すぐまた曇り空に逆戻り。

赤石小屋はずっと見えなかったけど、
もう見えても良いのにと思っていたら、
目の前に突然赤い屋根の建物がぁ〜!

赤石小屋だった。


        赤石小屋

左のトイレの前を進むと小屋の前に出る。
テーブルがいくつか設置されており、
上で一緒だった3人家族と、
おじさんが一人いるだけだった。

8 時過ぎなので、小屋は閑散としていて、
奥でお姉さんが掃除をしているぐらい。

02:45 の地図のタイムの区間を
2 時間ちょうどで降りて来たので、
予定よりは早く下山出来そうだ。

所持している水があまり多くないので、
ここでコーラを買って飲む。


しばらく休んでいると、小屋のおじさんが
テーブルを移動したいと言ってきた。

ヘリの荷揚げの都合で、小屋の玄関前に
スペースを作らないといけないらしい。

別のテーブルに移動して、ここに
ヘリが降りるのかなと思っていたら、
ヘリポートは一段上にあった。

玄関前のスペースは
何に使うのかは分からなかった。

家族連れとおじさんは共に先に出発
していたので、しばらく一人でいたけど、
特に写真を撮るものもなく
バスの時間もあったので、
8 時半過ぎに赤石小屋を後にする。

昨日の登りを考えると降りは楽で良い。

しばらく降っていると、
そのうち 3 人家族に追い着き、
しばらく止まって立ち話。

山頂で 6 時前に少し晴れて写真が
撮れた話をすると、この家族はちょうど
分岐点にいる頃だったそうだ。


家族より先に降り、どんどん降る。

山頂から椹島まで標高差約 2000 m
だから、なかなか標高が下がらない。

地図の時間では、まだ 3 時間半程
あるはずだけど、途中で何故か
下まで1時間半の道標が出てきた。
ちょっと不思議だ・・・

でもこの地図は時間がかなり多めに
書いてある部分もあるから、
予定より早いかも〜 と、
ちょっと期待が頭を過ぎる。


更に急勾配が続く降りを降りて行くと、
ちょっと広い場所があったので、
荷物を降ろして、しばらく休憩。

座って休んでいると、
下から若いカップルが登って来て
ちょっとここで休む様子。

地図を見ると、降りの途中で
林道を横切る筈だけど、
まだ林道には出ていない。

しかし時間的には良い加減、
林道に出ても良さそうなのに・・・

気になったので、下から来たカップルに
林道があったか訊いてみると、
そんな道は無かったそうで、何か不思議。
地図にある林道は一体何なのだ?

カップルと一緒に不思議だなぁ〜と
いう話をしていると、
上からさっきの 3 人家族が降りて来て
ここで休むことにしたようなので
林道の話をすると、あっさりと解決〜

なんと自分達が休んでいる
正にこの場所が林道だったのだ。

確かに言われてよく見ると、
道らしき感じになっている。

鎖で脇道が封鎖され、その先は草が
生い茂っていた為、気付かなかった。
これなら確かに、
上にも下にも林道はないわなぁ〜 笑

下から登って来たカップルは
ここまで 1 時間半だというので、
降りなら 1 時間強程で行けそうね。

そうするとまだ 10 時ぐらいだから、
上手くすれば 11 時過ぎ頃には
椹島に着くかも〜〜♪

予定では 12 時半頃に着けば良いかなと
いう感じだったので少し嬉しくなった。

結局、3 人家族と話し込んだ後、
家族は先に出発し、
私が降り始めたのは 10 時半前。

この先はそう長くはないだろうけど、
やたら急勾配の降りなので疲れる。

確かに地図上でも
椹島が近い部分は急になっていて、
分かってはいるけど疲れるよ。

やっぱり標高差 2000 m は長いねぇ。

樹林帯の中を降りながら、
先の方でヘリの音が聞こえているので、
そう遠くないことは分かるけど、
なかなか先が見えない。


どんどん降り、良い加減足が痛いなぁと
思っても、沢の音は少し聞こえるけど、
やっぱり林道は見えてこない。

そのうち下の方に川原が見え、
ようやく待望の林道が少し見えた。

林道に降りる所が鉄の階段になっていて、
手前で一匹蛇をやり過ごし、
金が手に入るのかなどと
つまらん欲を思い浮かべながら
階段を降りると、やっと林道だ〜!


       赤石岳 登山口

千枚小屋とロッジの分岐まで
長いのかなぁと思っていると、
分岐はすぐ目の前だった。

終わりという気分だったので
気が抜けていたのに、
ロッジの入り口の部分が山道になって
いるのをちょっと忘れていた為、
本当に最後の山道の降りに
ちょっとウンザリ気味・・・

椹島ロッジの敷地内に入ったのが、
ちょうど 11:40 で予定より全然早かった。

施設の隣のテーブルへ行って荷物を
降ろし、本当に山歩きが終了する。

臨時の送迎バスが出ていないかを
受け付けで尋ねると、
今のところ予定はないとのこと。

正規のバスは次が 13:30 だから、
まだ 1 時間半程あるけど、まあ良いか〜

しばらくジュースを飲んだり地図を
見たりしながら休んでいたけど、
そういえば途中で追い越した家族連れは
なかなか来ない。 お疲れなのかな?


暇なのでお湯を沸かして
カップヌードルを食べることにする。

そんなに腹は減っていなかったけど、
この後のスケジュールを考えると、
ここで何か食べておかないと
ちょっと間が空いてしまう。

カップヌードルを食べていたら、
家族連れが 12 時半少し前に戻って来た。
随分時間がかかったねぇ〜

家族はそのまま施設の方へ行ったけど、
シャワーでも浴びるのかな?

しばらくするとカップヌードルを
まだ全部食べていないのに、
12 時半に臨時バスが出るという
アナウンスが・・・
コラ〜、直前に言うな−!

急いでカップラーメンを食べ、
準備を済ませてからバスへ。

臨時バスが出たのは 12:45 頃で、
客は 9 人しかいなくて楽だった。

運転手の若い兄ちゃんは面白い人で、
表立っては言えないことを
色々と乗客に話してくれる。

どこの世界でもやっぱり
行政や警察は面倒な組織だねぇ 笑

あと、会社の利益を損なうような情報も、
それが客の為ならちゃんと教えてくれる
ところもなかなか好感が持てる。

こういうのが本当の
ユーザーコンサルタントか・・・

でもこういう人がいるなら、
また来ても良いかなと
思うものじゃないのかなぁ。

本当に良いサービスを提供していれば、
多少不便だろうが高かろうが、
客は来ると思うけど。

途中で警察の話をした直後に、
本当にパトカーがいたりとか、
昨日何も無かった所に
突然倒木があったりとか、
結構帰りの送迎バスは面白かった。

また、畑薙湖の水がエメラルドブル〜
って感じの色だけど、
なんであんな色になるんだろう?


臨時バスは 13 時半過ぎに駐車場に到着。
木曜の朝より車が増えているけど、
週末だから当然か。

バス停の所から最後に記念写真を
撮っていたら、雨がパラついてきた為、
さっさと車に戻り、出発する。

とりあえず無料で入れるという、
白樺荘の温泉に寄ってみることにする。

建物に入ると、
確かに名前を書くだけで無料だった。

記帳していたら、何とあの家族連れの
オヤジさんが風呂から出てきた〜〜

一体いつの間に先に帰ったんだ?
不思議だ・・・


      赤石温泉 白樺荘

温泉はそう綺麗で心地良いとまでは
いかないが、無料なら十分だね〜

風呂から出ると、あの家族連れは
帰ったようで、姿は見えなかった。

白樺荘を 14 時半に出発して
しばらく走っていたら、
途中で腕時計をしていないことに
気付き、嫌な不安が頭を過ぎる。

もしかして温泉に忘れて来たのか・・・
結構ここまで走ったぞ〜

しかし、着替えの袋に中に混じって
いたのを発見し、一安心。
安心して再出発〜〜♪

しかし静岡までの山道は長いねぇ。

途中で何度か道の確認もさせられるし、
ようやく井川まで来ても、
まだあと 50 km もあるんか・・・

延々と走ってようやく、
そろそろ町って感じが近くなって
きたかなという感じがしてくる。

大きな川を渡る時に川原を見ると、
車を乗り入れて BBQ を
やっている人達が多かった。

この辺は本当に自然の中で
やれるって感じがするから良いねえ−

程なく静清バイパスに入る。
ここは横道に逸れることが出来ないから、
事故でもあったらどうしようもないねぇ。

清水 IC から東名に乗る時、
ガソリンがあと少しだったので
次の SA で入れるつもりだったのに
富士川 SA は、入り口側で GS に寄らないと
出る時は GS に寄れない構造じゃないか。

食事後に出る時、GS に寄ろうとしたら、
寄れないじゃないかあ−
コラ〜、ちゃんと出る時も
GS に寄れるようにしろよぉ〜

秦野中井から渋滞 13 km 。
途中の足柄 SA でお茶の購入と当然の給油。
そのうち渋滞が 15 km から 17 km へ・・・
おいおい、長くなるんじゃないぞ。

車内では CD を FM に換えて、
久しぶりにニュースを聞く。

横浜町田を過ぎると車は流れたが、
首都高速 3 号線が渋滞で、
そのまま箱崎まで渋滞。

レインボーブリッジから
湾岸線を通過して無事千葉へ。

帰宅前にコンビニに寄ったら、
いまちゃんから珍しく電話。

一度出航したけどトラブルがあり、
また日本に戻って準備が出来次第、
すぐ出航するんだそうだ。
また帰国したら連絡くださいね〜