ヘタレ X’mas 隊 現実逃避ツアー!!
どうしてメインタイトルが
青ヶ岳山荘なのだ?
檜洞丸ではないのか?
サブタイトルが、ヘタレ X’mas 隊
現実逃避ツアー って、
何じゃそりゃ???
標高では確かに檜洞丸が
1601 m で一番高いけど、
イベント内容の濃さでいうと
青ヶ岳山荘は 3779 m 程あって、
どう考えてもこっちがピークだから。
富士山より微妙に高いぞ・・・
皆現世で嫌なことをドーンと
抱えていて、さっさと逃げたいと
思っている軟弱者の集合体と
いうことで、こんな名前に
なったと非公式に聞かされたけど、
結構頷ける・・・
2004 - 12 - 25 ( 土 ) |
西丹沢自然教室 ゴーラ沢出合い 檜洞丸 青ヶ岳山荘 |
2004 - 12 - 26 ( 日 ) |
青ヶ岳山荘 檜洞丸 犬越路 用木沢 西丹沢自然教室 |
今年は天中殺のような年で、
高い山へは 2 回しか行けなかった。
低山ハイキングを入れても 3 回だ。
信じられん・・・
しかし秋の涸沢で素晴らしい雪の穂高を
見ることが出来て、これで今年の山は
終わったなぁと思っていた。
基本的に高い山に雪が降り始めると、
その年の登山は終わりだから。
ところが、暮れも押し迫ってから
低山とはいえ山歩きに行くことになり、
これがまたどうしたことか、とんでもない
楽しい山歩きと化してしまうことになる。
しかも、ヘタレ X’mas 隊 という、
有難いチーム名がいつの間にか
命名されているし。
12 月 05 日、
私達は奥多摩の高水三山に、
ヘタレ X’mas 隊 + 1 名で
低山ハイキングに行く予定に
なっていたけど、天候が良くないと
いうことで、都内某所で単なる
小宴会を行うことになった。
そしてその小宴会の最中に
なんちゃってやまちゃんから、
今年からクリスマスの週末は
青ヶ岳山荘に行くことにしたんだぁ〜 と
いう公式発表がなされた。
その時は財政難だし
低山でもあることから、
自分が行くという考えは欠片も無く、
まさに ふ〜〜〜ん という
他人事でしかなかった。
その後も、青ヶ岳山荘行かない? と
呼んでは頂くものの、私の頭の中には
銭の要るイベントに誘われると、
金が無い、金が無い、金が無い という、
メッセージが無限に表示されるという、
性質の悪い金欠ウイルスに
感染していた為、とても行くとは
答えられる状況ではなかった。
ワクチンソフトを頭に
インストールしても、なかなか
除去されない悪性ウイルスだ。
12 月 23 日、
この日は日の丸隊長殿の年に一回の
如何わしい写真撮影が行われて
いたけど、夕方出来た写真を見て
反省会を行っていたら、
なんちゃってやまちゃん[ NY ]
から催促の電話が入った。
[ NY ]
隊長は行くそうだよ。
[ 私 ]
目の前に、隊長がいるよ。
[ NY ]
なら新松田に
09:30 と言っといて。
[ 私 ]
分かりました。
[ NY ]
一緒に行こうよ。
[ 私 ]
う〜んんん・・・・・
( 瞬時にウイルスが起動 )
[ NY ]
とりあえず明日、予約入れるから
午前中までに連絡ちょーだい。
[ 私 ]
分かりました・・・
結局、この 2 日前に何とか予算を
捻出出来そうな気配があった
ことから参加することを決め、
翌日なんちゃってやまちゃんに
電話を掛ける。
がしか〜し、何度かけても繋がらん!
あれだけ来いと言っておきながら、
電話が繋がらんとは何事じゃあ〜 と
思っていると、4 回目でやっと繋がり、
ようやく公式に参加表明ということに。
帰りにヨドバシカメラでフィルムを買い、
夜いそいそと山の準備を行う。
ついでに、Web ページファイルの
準備も一緒にやってしまう。
テントの時と違って、小屋泊まりの
荷物はやっぱり楽チンだねぇ〜
最近は 6 時なんて朝早い時間に
起きたことがなかったので、
翌朝起きられるか結構心配で、
寝坊したらキャンセルの電話でも
入れておこうかと思うぐらいだ。
しかし翌朝は、難無く
すんなり起きられたのだった。
( とりあえず良かった〜 )
朝、目覚ましを止めると、まだ真っ暗。
暗いうちに自宅で起きたと
いう記憶は、今年は無い気がする。
例年なら寒くてなかなか
布団から出られないけど、
今年は暖かいので全然問題無い。
支度をして予定通りの時刻に出発。
駅に着くと、JR の Suika の中に
チャージ料金があまり
残ってなかったことを思い出し、
入札前にチャージしたかったけど、
あまり時間が無かったので
そのままホームへ向かう。
土曜日でしかもまだ 6 時台なので、
電車は空いていて
座席に座ることが出来た。
いつもと同じ
御茶ノ水まで約 50 分程。
千葉県内を走っている間は
わりと空いていたけど、
都内に入ってからは混みだし、
秋葉原の手前付近では
通勤並みの混雑と化していた。
こういう時、大きい登山ザックは
とっても迷惑だよねぇ・・・
御茶ノ水駅で
中央線快速電車に乗り換える為、
向かい側に並んで電車を待つ。
電光掲示板を見ると、
次は普通快速電車、その次が
中央特快青梅行きと表示されている。
次の次かぁ・・・ としばらく
考えていたけど、ふと気付く。
今日は小田急線なんだから
新宿で降りるんだし、
次の普通快速で良いじゃん。
青梅に行ってど−する、
奥多摩ハイキングとちゃうやんか−
まだ頭がよく回ってないらしい。
中央線もかなり空いていて、
ゆったり座って走ること約 8 分、
新宿駅に到着。
流石に新宿駅はちょっと人が多い。
地下コンコースを歩いていると、
やはりザックを担いでいるのが
ちょっと違和感有りに感じてしまう。
西口を出て地上 1 階の小田急線の
改札へ行くと、JR の方とは
打って変わって殆ど人が疎ら。
あれだけ券売機が並んでいるのに、
買っている人は一人しかいない。
改札を入ってホームへ行くと、
電光掲示板が見えてくる。
小田急線は車両毎に行き先が違うので、
乗る車両を確認する必要があるけど、
乗る予定の 08:01 発 を見ると、
前 6 両が箱根湯本行き、
後ろ 4 両が新松田止まりになっている。
ん、新松田? な〜んだ、
今日降りる駅じゃないか〜、ラッキー!
寝過ごして先へ
行ってしまうことはないね〜
けど、新松田止まりって初めてだ。
だいたい相模大野とかで
違う方へ行くのが多いのにね。
とりあえずホームを歩いて行き、
一番中央に近い車両に乗り込み、
座席に座る。
他の二人はどうやって来るんだろう?
隊長はおそらく新宿経由と思うけど、
やまちゃんは違うかもね。
そういうことを考えながら
たまに外を眺めたりしていると、
ホームの階段傍の方に
見覚えのある白地に赤の模様が・・・
あれは日の丸じゃないか〜
それに上着の色といい、
ズボンの色といい、
どうみても特色があり過ぎる。
姿が車両の死角に消えたので、
しばらくしてこちらに来るの
かなと思い、ちょっと待ってみる。
しかし姿が見えないので、
隣の車両に乗ったのかなと思って
車両の通路から隣の車両の方を見ると、
しっかり隊長が吊り革に
掴まっているのが見えた。
自分の横の席は空いていたので、
一度は買い物の荷物を置いて
席を確保したが、ちょっと人が
増えてきたので下げてしまうと、
すぐに婆ちゃんが座ってしまった。
新宿を出ると最初に停まる駅は
代々木上原だけど、ここを通過する度に
社会人に成り立ての頃を思い出す。
最初の 4 月の研修が成城で
行われていた為、ここで千代田線から
小田急線に乗り換えていたから。
ちょっと懐かしい。
次は成城かなと思っていたら、
下北沢だった。
そんなのあったねぇ〜
下北沢の人には申し訳ない。
そのうち、新宿で買ったおにぎりを
いつ食べようかと考え出した。
それなりに人の多い電車の中で
食べるのは品格に欠けるような
気もするけど、腹も減っていたし、
大人しく静かに食べることにする。
出掛けて来た頃は結構青空が
広がっていたのに、外を見ると
いつの間にか曇り空に変わっている。
今日は晴れで明日の方が曇りだって、
天気予報では言っていたけどね〜
わりと人の多かった電車も、
伊勢原付近まで来ると
ずっと乗客が少なくなってくる。
神奈川の人に言うと、違う! と
言われるが、千葉民族からすると、
伊勢原も丹沢も同じに思えてしまう。
どちらも遠くて大差無いって
感じなんだよねぇ。
秦野辺りになると、車両の中には
数える程度の人しかいなくなっていた。
新松田の駅で改札を出ると、
なんちゃってやまちゃんが
既にバス停の所で待っていた。
山の恰好で会うのは、
谷川岳西黒尾根事件以来だから、
約 3 年半振りか。
その後隊長も現れ、無事三人揃った。
窓口でバスの切符を買おうとすると、
片道か往復かを聞かれる。
帰りはおそらく中川で温泉に
寄るだろうから、途中下車出来ない
往復切符では駄目だと思い、
片道切符を買うと、なんちゃって
やまちゃんが確認しに来た。
片道切符を買ったと言ったら
安心していたけど、それは温泉に
寄るからという理由ではなく、
とんでもない別の理由が
あったことを悟ったのは、
ずっと後になってから。
バスに乗ると
乗客は 6 人程しかいない。
流石にあと一週間もすると
年が明けるという時期だから、
皆さん一般の生活で忙しいのだろう。
ではここにいる我々は一体何なのだ?
きっと春や秋なら満員で、立っている
乗客も沢山いるんだろうけどね。
普段山へ出掛ける時は必ず
ヘルメットを被っている隊長だけど、
今日はなぜかベレー帽だ。
ヘルメットはあご紐が切れたので
仕方なくという弁明だったけど、
このベレー帽がかなりよく似合う。
今回は黒のベレー帽だけど、
そのうち色々とバリエーションが
増えるかもしれない。
喉かな山北の町を進んでいると、
そのうちバスが停まったまま
動かなくなっていた。
終点の中川だった。
切符売り場で西丹沢までと言って
あったのに、それが運転手に
伝わってなかったらしい。
その後バスは西丹沢へ向かい、
乗客は私達三人だけの貸切状態。
終点の西丹沢自然教室で
バスを降りると、
周囲に人の姿は見えない。
たま〜にマイカーが
通り過ぎる程度で、実に静か。
二人のトイレ待ちをしていると、
なんちゃってやまちゃんが来て、
隊長が面白い登山届けを書いていると
言うので行ってみると、
団体名が、ヘタレ X’mas 隊 と
命名されていた。
隊長に登山届けを書かせると、
だいたいいつもこの種の
組織名になってしまう。 笑
準備が整い、11 時少し前に出発。
しかし出発して 100 m 程行くと、
もう寄り道が始まった。
左側の沢沿いの広場で、
隊長のブロマイド写真記念撮影会。
( 見合い写真か? )
のっけからこういう撮影なのだから、
きっと今回は綺麗な風景写真より、
お笑い系に近い記念写真の方が
多くなるのではという予感が、
すぐに頭を過ぎる・・・
アスファルト道路をしばらく歩くと、
見覚えのある登山道入り口。
静かに一人で煙草を噴かしている
登山者の姿を見て隊長が、
本来の登山者の休憩というのは、
ああいう風に静かで落ち着いた
ものだろうな〜 と言うので、
自分達はどうなのかと考えると、
確かに今回はお喋りが多くてちと煩い。
いや楽しくてとっても
結構なことだってば〜 笑
登山道に入ると、
しばらくは少し勾配がある
歩き難いガラガラ道だけど、
すぐに普通の道になる。
しかし頭の上辺りには
木の枝が出ていることが意外に多く、
下ばかり見て歩いていると
頭をぶつけることが多いから要注意。
しばらく歩くとやや穏やかな
道に変わって、周囲の見通しも
わりと良くなってきた。
5 月頃と違い、木の葉が枯れ落ちて
しまっているから、遠くまで見えて
ちょっと良い感じにも見える。
谷間の方からは、ウィ〜〜〜ンと
いう機械音が聞こえてきて、
隊長が、チェーンソー持っている人が
アイスホッケーのマスクを被った
奴だったらどうする〜〜 等と、
相変わらず顎の筋肉を鍛える
トレーニングに勤しんでいる。
それはチェーンソーじゃなくて
ジェイソンです、っていう
突っ込みは無かったと思う・・・
見通しの良い斜面を歩きながら
ふと空を見上げると、いつの間にか
青空の広がる良い天気になっている。
電車に乗っていた時は、
上空には雲が広がっていて、
どう見ても今日は曇りって
感じだったから、良かった。
ゴーラ沢は結構近いと思って
いたけど、腹が減っていたせいか、
思ったよりちょっと
長く感じてしまう。
ゴーラ沢に到着すると、
新しい木の橋が掛かっている。
3 年前に来た時は確か橋が無くて、
石の上をジャンプしながら
沢を渡渉した記憶があるよ。
腹も減っていたし
休憩ポイントにもなっている為、
ここで昼食を摂ることに。
少し寒いし、ちょっと食べてわりと
早めに出発するのかと思っていたら、
しっかり湯沸し道具が活動を始めた。
それなりに休むなら休むで
構わないし、じゃあ自分もお湯を
沸かそうかと思ったら、あまり
ガスが入って無いようだったので、
隊長のガスにお世話になった。
当然、昼食風景も記念写真の対象。
今回は記念写真係が確定してしまった。
といっても好きだから良いのだけど。
隊長はお湯で戻る御飯、
なんちゃってやまちゃんは
カップラーメン、私は再びおにぎり。
朝からおにぎりばっかで、
これで今日 5 個目じゃないか・・・
いい加減飽きるけど、面倒臭いのが
嫌いなので作ることはしないのだ。
1 時間程休んで、
私達はゴーラ沢を後にする。
ここからは少し急勾配も出てくる
道になり、狭くて笹に覆われた感じ。
正面に少し見える空がとても青い。
時折り後ろを振り返り、木々の間から
遠景を眺めても、霞んだように白く
なっていて、あまりハッキリ見えない。
途中で適当に休みはするものの、
流石に夏と比べると
格段に水分の補給が皆少ない。
でも本来は飲みたくなくても
必要分だけは飲まなくては
いけないんだけどね。
ゆっくり歩いているので、
少し時間がオーバー気味だけど、
展望園地に到着する。
テーブルがあるので、
荷物を降ろしてここでまともな休憩。
隊長が地図を開いて眺め始める。
明日の行程をどうするかという話題
になった時、青ヶ岳山荘から蛭ヶ岳、
搭ノ岳を通過して
大倉へ降りる等という超ハードな、
我ら ヘタレ X’mas 隊 には
あるまじき爆弾発言が、
なんちゃってやまちゃんから飛び出す。
青ヶ岳山荘にはマッタリ目的で行くと
思っていた自分にはまさに
寝耳に水の奇襲攻撃だ。
心の準備が無く、
吉良邸討ち入りと同じではないか。
思わず、今日来た道の
往復じゃないのぉぉぉ〜〜!!
と非公式に発言してしまった。
朝買ったバスの切符が
片道切符で良かったというのは、
こういう画策があったからか・・・
結局 3 カ国会議はまとまらず、
夜決めようということになり、
その場は玉虫色の決着。
ま、日本人は
先送りが好きだからね〜 笑
後から来たカップルは、
私達より全然先に出発してしまった。
ちょっとゆっくりし過ぎていたかも。
展望園地を出ると、
再び同じような登山道を登って行く。
北側の空は青くてスッキリしているけど、
南西側は午後の時間ということもあって
更に白く霞みが掛かり、景色らしい
景色はあまり見えなくなっていた。
歩きながら右の方を見ると、
石棚山からの稜線が見えているけど、
もう少し標高を上げないと
合流地点ではなさそう。
合流地点までは、まだ少し
距離がありそうねぇ。
結構登ってきたかなという頃、
左手が急に開けて
展望の良い場所が見えてくる。
そこにはテーブルがあって、
先ほどのカップルが休んでいた。
私達も少しだけ休んで、
今度は私達の方が先に出発。
上の方を見上げると、
ここからは綺麗な木の階段が
続いているのが見える。
確か記憶では木の階段の先に
合流地点があったと思ったけど、
するともうすぐ合流か??
ちょっと元気が出てきたけど、
どういうわけか登っても登っても
なかなか合流しない。
結構遠いのかな〜 と思いながら
登っていると、ようやく合流の
道標が見えてきて到着した。
休憩も兼ねて三脚を立てていると、
後から来たなんちゃってやまちゃんに、
記念撮影のスタンバイは
万全だねぇ〜 と言われてしまう。
当然じゃぁぁぁ〜〜
少し休憩してから
最後の区間へと進む。
ここからは木道がずっと続き、
勾配も殆ど無くなるので、
かなり楽になるのだ。
木道は綺麗なものに換わっていて
冬なのでずっと先まで見えるし、
木道の下の地面も綺麗に見える。
初夏の頃に来た時は、
一面が緑に覆われていて
地面は全然見えなかった。
やはり同じ山でも、季節が変わると
風景は全然変わるもんだね〜
平坦な木道の先には、山頂直下の
最後の登りが待っていた。
この最後の登りの途中ぐらいから、
高い木の上部に霧氷が着いて
いるのが見えるようになる。
青い空を背景にすると、
白い霧氷は綺麗ではあるけど、
ちょっとまだ量が足りない。
もっと白さが増えた頃に来ると
綺麗だろうと思う。
すぐ目の前はもう山頂だ。
ちょっとゆっくりだったので、
時間が掛かって 15:40 に山頂到着。
前回と違って、今回は何事も無く
無事に登頂できて良かった。
山頂まで来ると、今日の目的地で
ある青ヶ岳山荘はすぐ下。
山頂で記念写真を撮ると、
すぐに山荘へと降る。
途中で写真家の
ま−さんとすれ違う。
すぐ下に小屋が見えていて、
煙突からユラユラと立ち昇る
白い煙はやはり喉かなものがある。
私は 2 回しか泊まったことはないけど、
小屋に入るとあの特有のマッタリした
雰囲気がやっぱりあった。
マッタリというか
アットホームというか・・・
しかしこの何とも言えない
喉かな空気がこの小屋の特徴であり、
皆さんが守っている大事な空気
なんだから、絶対に壊しては
いけないものだと思う。
荷物を奥に置き、受け付けの後は、
写真を撮りにちょっと外に出てみる。
玄関の前は東側に木があるので
裏手の方へ行くと、
少し開けている場所がある。
富士山の方は雲が掛かっていたけど、
蛭ヶ岳の方は雲は掛かってないね。
しばらく外でウロウロしていると、
他の常連さんも出て来て、
井戸端会議が始まった。
( 軍事作戦会議ではない )
気温は結構下がってるようだけど、
風が無ければ体感的には
そんなに寒さは感じない。
少し話した後、小屋へ入って
落ち着かせてもらうことにする。
コタツで落ち着こうとしていると、
何と駆け付けビールが登場〜〜
良いのだろうか・・・ しまった、
何か持ってくれば良かった。
と言っても後の祭り。
しょうがない、次回来る時に
酒を持って来ることにしよう。
席に着いてコタツに足を入れよう
とすると、何と掘りゴタツ。
そういえば前回泊まった時、
中に火があったのを思い出した。
有難くビールを頂くことに
したけど、佐川さんにセロリの
おつまみまで貰ってしまった。
小屋の方も常連の方も、
皆さん良い方達ばかりのようで、
温かさが感じられるね〜
窓側のテーブルではお姉さん達が、
飾り付けの準備中みたい。
今日は泊まりのお客さんは
どれくらいいるんだろう?
何となく雰囲気的には
そんなに混雑でも無さそうで、
ちょうど良いぐらいに思えるけど。
予約の時になんちゃってやまちゃんが、
あと二人増えますということを
小屋番さんに伝えたらしいのだが、
小屋番さんは女性が増えると
思っていたみたい。
( 申し訳無いです・・・ )
因みにそれを聞いた隊長は、
バストは 104 cm で
あります!!
と答えていた。
おまけに自分で胸を
動かすことが出来るらしい。
ってことは、寄せて上げてブラを
着けなくても胸を上に向けることが
出来るってことか?
キャアアア〜
日の丸隊長ったら素敵〜〜〜!
いや〜〜ん、ウットリ〜〜〜!!!
日の丸隊長殿、
ここはひとつ世論を味方にする為、
写真集でもお出しになりますか?
しばらくすると
皆でクラッカーを発砲し、
ワイン( シャンパンか )の
栓を抜くことになったけど、
この光栄な役どころは我が
ヘタレ隊の隊長が行うことに。
開栓式典は無事成功したけど、
隊長殿、栓を私の方に
向けるのは止めなさい、
当たるところだった。
( 狙われたのか〜 笑 )
その後、みるみるテーブルの上には
お酒が出現し、あっという間に
酒だらけになってしまう。
ビールに日本酒、ワインに泡盛・・・
すっかり居酒屋状態だ〜 笑
今宵は Xmas ということで
夕食も豪華ね〜
チキンにハム、パンにシチュー、
はたまたケーキにアイス、
それに大量のお酒と、
とても通常の宿泊料金では
考えられない内容。
嬉し過ぎるううう〜!!
チキンなんて
抜群の美味過ぎる味だった〜!
次回来る時は、絶対何か
差し入れを持って来なくては。
そのうちテーブルには、
ドライアイスが出現。
フラッシュをたいてしまった為、
写真は味気無い感じになった感も
あるけど、ノーストロボで撮れば、
アンバー系の暖かい雰囲気で
良かったかも。
でもノーストロボだと、
雰囲気は良いけどシャッター速度が
極端に遅くなるから三脚無しでは
写真がブレるんだよねぇ。
それにしてもランプの明かりは、
実に良い雰囲気を醸し出す。
ランプの温か味あるアンバー系の
光が実に和やかな空間を演出し、
心にも明かりを灯すようだ。
まあクリスマスだから若干普段より
派手な部分もあるかもしれないけど、
ここには温か味が根付いていて、
馴染みになってくると、それがよく
分かるようになってくるみたい。
それにしても料理は美味かった〜
そのうち隣のテーブルの
クリスマスケーキが回ってきた。
ほんとにクリスマスって感じ〜
本当にここは山小屋なんだろうか・・・
隊長は喉が渇くと言っては
しきりにジュースを買って、
結局 3 本も飲んでいた
らしいけど、それ以外にも
実は他人のアイスまで食べ、
同じくケーキも食べていた。
アイスもケーキも
3 人分食べていたらしい。
見た目のゴッツさからは
想像し難いけど、日の丸隊長の
飲食については、結構ウラ若き
乙女のような部分がある。
ファミレスでもパフェ系を
よく注文するらしい。
聞くところによると、
ここの正式なスタッフは
トンボさんと心さんの二人だけで、
あとの人は単に常連客にも拘らず、
お手伝いをされているそうだ。
またよくやって来る常連さんも、
食べ物や飲み物を担ぎ上げたりと、
皆さんの協力で成り立っている感じで
そういう人たちに愛されている
良い小屋なんだな〜 と実感する。
お酒も進み、
楽しい時間が流れていく。
たまに時計を見ると、
普段の街中での宴会と違って
まだまだ早い時刻。
それなりに食べてそれなりに飲んで、
ややまったりした空気が漂う
時間帯というと、街中の居酒屋だと
22 時頃になってることが多いけど、
今日はそういう感じで時計を見ても、
まだ 18 時とか 19 時半だ。
単に呑み出しの時刻が早いと
いう話も無くはないが・・・
おまけに終電も気にしなくて良いし、
やっぱり帰りの時間を気にしなくて
良いということは、
酒好きには大きなポイントで
あることは間違いない!
私だけではないと思うけど・・・
途中、写真をそれなりに
撮っていたら、一眼レフの電源が
入らなくなってしまう。
全く動かなくなってしまうことが
極まれにあるので、
少しギョッとしたけど、
何度か電源を ONOFF していたら
液晶に表示が現れた。
がしかし、電池マークが半減した
状態で点滅しているじゃないか。
どうやら
リチウム電池が切れたみたい。
しまったな〜、
昨日ヨドバシカメラに寄ったけど、
電池は買わなかったんだよねぇ・・・
もしかして明日は
写真が撮れないのか? と、
一瞬頭を過ぎったけど、
単 3 電池 4 本でも
代用出来るんだけど〜 と言ったら、
横から隊長が あるよ の一言。
とりあえずは助かった。
しかししばらくして、予備電池を
入れてなかったかなと思って
ザックの中を見てみると、
新品の単 3 が 4 本ちゃんと
出てきたので無事交換終了。
パワー満タンで OK となった。
昔は大きなヘッドランプを使っていて、
その電源が単 3 電池 4 本だった為、
カメラのリチウム電池が無くなっても、
ヘッドランプの電池を
代用することが出来たけど、
今は軽いヘッドランプに換えた為、
電池も種類が換わり、
代用は出来なくなってしまった。
山では何でも共用できる方が、
荷物が少なく済んで良いんだけどね。
時刻は分からないけど、
そろそろお休みの時間が
近付いてきた。
西さんには、飲むなら朝まででも
OK ですよと言われたけど、
最近は若くなくなってきたので、
オールナイトはなかなか
出来なくなってしまった。
( 周りにもいないって )
テーブルの上は
かなり散らかった状態だけど、
そのままで良いとのこと。
全く後片付けをしないのは、
申し訳ないような気もするけど・・・
お言葉に甘えてそのままお休み
させてもらうということで、
2 階へ上がる。
私は最後から二人目だったようで、
殆どの場所はもう埋まっていた。
布団に潜ると、ポケット付近が
邪魔で落ち着かない。
やはりいつもの山中の夜と違い、
酔いが回っている感じ。
いつもならポケット等に
入れている物は布団に入る前に
きちんと取り出して別に
するんだけど、今日はそんなのは
頭から消えてしまっていた。
おまけに、胸の付近に少しだけど、
気持ち悪さが漂っている。
やはりビール、ワイン、
日本酒、泡盛と、4 種類も
混ぜたのは良くなかったのか・・・
確かに、そんなに混ぜた記憶は
ここ数年、無いような気がする。
そのうちふと、隣から大きな
イビキが聞こえることに、
脳神経が気付いてしまった。
あちゃあ〜〜〜 もしかして
眠れなくなるのだろうか・・・
私は音があると基本的に眠り難い。
しかしここは
先程の酔いが功を奏して、
知らない間に無事睡眠の世界へ
移動していたようだった。
ふと目が覚めて、
時計を見るとまだ 3 時台。
そう長い時間ではないものの、
まともに寝たらしい。
それからは結構、ゴソゴソしながら
あまり深く眠れなかった気がする。
どれくらい時間が経ったのかは
よく分からないけど、下の方で
少しづつ音がするようになった。
きっと小屋番さん達の活動が
始まりつつあるんだろう。
なんちゃってやまちゃんが、
日の出を拝みに行こうと言ってて、
隊長が行くと答えていたのは
覚えているけど、私は言って
ないので、当然ゆっくり
布団に潜ったままいるつもり。
なんちゃってやまちゃんの
記録公開日の暫定版記録を見ると、
私も緩くではあるけど、
日の出を拝む約束をしたことに
なっているじゃないか。
いや〜、私には
そんな記憶は無いけど・・・
外は徐々に薄ら明るく
なり始めている様子。
部屋の中もだんだん
真っ暗ではなくなってきている。
しばらくすると、
なんちゃってやまちゃんが隊長を
呼んでいるのが聞こえてきた。
がしかし、たぶんその声では
隊長の耳には聞こえないだろうと
いうぐらいの小さい声。
日の丸隊長なのだから
起きるのかなと思っていたら、
起きる気配は無かった。
どうやら爆睡しているらしい。
起きていれば聞こえただろうから。
ヘタレ新聞の
一面トップになりそうだ。
ヘタレ X’mas 隊、隊長!
日の出参拝の
公式発表を反故に!!
3 時台に目が覚めてから
あまり眠れてなく、
殆ど起きていたような
感じだったので、これ以上布団で
ウダウダしていてもしょうがなく、
起きることにして下に降りていくと、
なんちゃってやまちゃんが外に出る
準備をしているところだ。
横のテーブルを見ると、昨日の
宴会後の散らかし振りはすっかり
跡形もなくもみ消されて・・・
じゃなくて、綺麗に片付けられていた。
少しも片付けなくて申し訳ないと
再び思ってしまう。
外に出る準備をして、
カメラを抱えて外に出てみると、
上空はとても綺麗な空に
なっているじゃないか〜
確か天気予報では
今日は曇りって言ってたけどねぇ。
まあ良いさ、晴れなら晴れで
それは結構なこと。
おそらく未明頃は、
結構冷え込んだのだろう。
テーブルの上は
びっしりと霜で覆われている。
南東の空は綺麗な
グラデーションになっていて、
まだ陽は登ってないけど
そろそろ太陽が顔を出す頃。
小屋の少し上の斜面付近に
三脚を立てて太陽が顔を
出すのを待っていると、
小屋から隊長が出て来た。
寝坊したので、
御来光は諦めたらしい。
うちの隊長殿は、どうも昔から
日の出や日の入りの撮影には
運が無いようで、
撮影しようとする度に
何故かアタフタしてしまい、
上手くいかないことが多い。
日の丸放送協会( HHK )
ヘタレ予算委員会 党首討論 答弁
【 野党 】
隊長、昨日の御発言では
今朝は日の出を参拝されると
いう内容でしたが?
【 隊長 】
状況が変わったんです、
物事は状況をよく
見極めねばなりません。
( 小泉節? )
【 野党 】
公式発表したものを翌日覆すのでは、
隊員世論の理解は得られませんよ!
きちんと説明してください!
【 隊長 】
朝日も色々、起床の仕方も色々、
起きる時間も色々です。
【 野党 】
・・・・・
【 野党 】
話になりませんねえ〜
では時間が無いので質問を変えます。
最近あなたは親族女性党からも、
疑惑を追及されていますね。
山に出かけると言いながら、
武装しているではありませんか!
親族女性党からどういう質問をされたか、
よく思い出してください。
【 隊長 】
お前は戦争にでも行くのか?
という質問だったと思います。
注. 母親に言われるそうだ。
【 野党 】
登山に行くのに武装品は不要でしょう、
いかがですか?
【 隊長 】
私は戦争する為に
武装しているのではありません。
人道支援の観点から山で
遭難した人を助ける為に、
救助活動を兼ねているんです。
戦争の為ではありませんよ。
【 野党 】
山は危険な場所だから、
武装しているのではないのですか?
ハッキリしてください!!
【 隊長 】
私が行く山が危険か危険じゃないかなんて、
そんなの私に聞かれても、
分かるわけないじゃないですか〜
それに、私が行く山なんだから
非戦闘地域なんです。
再三申し上げますように、
人道支援の為であって
戦争の為ではありません。
【 野党 】
・・・・・
こうして、今日も
ヘタレ討論会は続く。
混迷する
ヘタレ X’mas 隊!
日の丸隊長の支持率は
果たしてこの先、
ど−なるのかぁぁ!!
ナレーションは、
サンデープロジェクトや
TVタックル風で
どうだろう??
間もなく水平線が白く輝き出し、
太陽が姿を見せ始めた。
ちょうど太陽のすぐ左下に
搭ノ岳があって、山頂の左側に
尊仏山荘が小さく見える。
普段は太陽の動き等は
あまり体感しないけど、
日の出と日の入りの時は
その速さを実感させられる。
日の出を撮った後は、
しばらく小屋の下の方の
霧氷を眺めてみる。
今年は暖冬でちょっと
少ないのだろうけど、
本来の冬の寒さなら、
今頃はもっと沢山の霧氷を
見ることが出来ただろう。
朝日の影響で
ちょっと赤みがかっているけど、
白い霧氷なら青い空を背景にすると
きっと綺麗だろうなぁと思って、
撮るのは少し後の時間にしようと
思ってあまり撮らなかった。
その後、富士山を撮る為に三人で、
檜洞丸の西側斜面へと移動する。
降りの途中で、
ま−さんとすれ違った。
やはり山の写真家は
早く行動しないと駄目だねぇ。
少し降ると開けた箇所があり、
富士山はよく見えるんだけど、
今日は頭に雲が掛かっている。
な〜んかあんまり取れないような
気がする雲だけど、出発する頃には
どうなっているんだろう・・・
しかしこちらの斜面は、
風が強くて結構寒い。
そう長くも居ないうちに、
我らヘタレ隊は小屋に戻り始める。
弱虫は寒い所より、
暖かいコタツの方に目が眩むのだ。
小屋に戻る途中で山頂記念撮影。
朝日が結構眩しいね〜
小屋への斜面を降っていると、
途中の木が上部に
沢山霧氷を付着させていて、
上空の空が青く綺麗だったので、
カメラを向けてみる。
小屋に戻るとそろそろ
朝御飯という頃だった。
コタツで待っていると、
またしても出てくる料理が豪華だ。
折角なので、
やっぱり記念写真を撮る。
納豆を食べると、
いつも食べているのと
少し味が違うように感じる。
はて何が違うのかなと考えたら、
どうやら辛子みたいだ。
私はいつも
辛子を混ぜてないからか・・・
御飯と味噌汁をおかわりする時、
少しだけと言ったんだけど
たっぷり入ってきてしまい、
全部食べるとまたお腹を
痛くしそうで不安があった為、
残ったら隊長食べておくれと
言ったわりに全部食べてしまった。
が、結構お腹が重たくなってしまう。
食後にゆっくりお茶を頂いていると、
とてもマッタリしていて
何とも言えない心地良さ。
味噌汁の鍋から立ち上る湯気が、
何とも喉かで良いねぇ。
既に 8 時を過ぎていたけど、
出掛けようという意欲が
あまり沸いてこない。
普通の宿泊登山の朝なら、
とっくに歩き始めている
時間帯なんだけどねぇ。 笑
日の丸隊長も、
まったりウイルスに感染したらしく、
準備だけしたらまたコタツで
コーヒーでも飲もうかな 等と、
ヘタレ振りを発病しかけている。
まあここに来るのは、
それが目標のような感じもあるから、
全然 OK なんだけどね〜
しばらくゆっくりした後、
いつまでも居るわけにも行かない為、
出発の準備をして外に出る。
挨拶をして山頂へ登り始めると、
トンボさんとさがわさんに
お見送りをして頂いた。
普通の小屋ではあまりこういう
光景に当たることはないから、
結構嬉しいもの。
しばらく登って
たまに後ろを振り返ると、
もう小さくなっているのに、
何とまだ表で手を振ってくれている。
やっぱり暖かい
小屋だよねぇ〜〜 という世論が、
あちらこちらから沸き起こる。
世論って、
3 人しかいないじゃないか。
山頂を越えて
西側の斜面を降り始める。
今朝の作戦会議では、
昨日の蛭ヶ岳・搭ノ岳縦走無謀案
( 我らヘタレ隊にとっては )
の代替案として、犬越路から
大室山を経由して加入道山、
そして用木沢へ戻る案が
提言されていた。
しかし私の頭の中では、
マッタリ出発なのだから
きっと犬越路からそのまま
用木沢へ降りるような
予感がしてならなかった。
こちら側の斜面はまだ陽が当たらず、
陰なのでちょっと寒い。
また降りといっても単なる
緩やかで楽チンな道でもなく、
結構あちらこちらでポロポロと
崖っぽい部分がよく現れる。
鎖場等では長い三脚が結構役に立つ。
ここのコースは周囲に木や笹が多く、
あまり景色は綺麗に見えないけど、
途中たまに開ける場所がある。
しかし今日の富士山は、この時間でも
ずっと頭に雲が掛かっている。
この分だとおそらく今日は終日、
雲は取れないだろう。
アップダウンを繰り返して
標高を下げていくけど、たまに
登りになると視線が斜め上を向く。
水平に見ている時は
あまり感じないけど、
視線が上向きに近くなった
空を見ると、空が青〜〜い!
昨日から今日にかけて、
空が青いねぇ〜 って
一体何回言っただろう・・・
朝、富士山の頭に掛かっていた雲は
わりと少なめだったけど、
降っていくうちに
だんだん雲量が増してきて、
また陽が昇るにつれて霞みも増えて
だんだん富士山は見え難くなっていた。
降りの途中の
道標のある少し広い場所で、
なんちゃってやまちゃんの
エネルギー補給の為にしばらく休憩。
おにぎりが食べたいということ
だったけど、今回 1 泊 2 日なのに
おにぎりを 10 個も持って来たそうだ。
冬だから悪くはならないと思うけど、
ちょっと多くないか?
減らしたいと言うわりには、
昨日ゴーラ沢では
カップラーメン食べてたねぇ。
ここで休憩中に
なんちゃってやまちゃんから、
犬越路からそのまま用木沢へ
降りようという、公式発表があった。
私は最初からきっとそうなる
だろうと思っていたけど・・・ 笑
まあ時間的にも、これから加入道山を
回るとちょっと遅いだろうし、
早く降りてゆっくりお風呂に入る方が、
我らヘタレ隊にとっては
身の丈に合っているだろうねぇ〜
( ほんと軟弱だ! )
犬越路の非難小屋が
だいぶ近くなってきて、
細い笹の道を降って行く。
しばらく歩いて犬越路の
休憩場所へ到着すると大休憩。
テーブルが沢山あって、
空いているので休み易い。
荷物を降ろしてちょっと一息。
降ってきた檜洞丸の方を見ると、
雲がゆったりと流れていて、
喉かな感じがしてくる。
大室山の方は全然雲が無くて、
相変わらず真っ青な空だ。
日の丸隊長がテーブルに
三脚を立てて、記念写真を撮る。
今度は逆を向いて、なんちゃって
やまちゃんがレンズを向ける。
私が最後に記念撮影だけど、
皆で敬礼して写る〜 というと、
すかさず、隊長の
敬礼講習会が始まった。
といっても私は撮影準備中なので、
受講者はなんちゃってやまちゃんだけ。
しかし受講しただけのことはあって、
写真を見たらちゃんと出来てるねぇ〜
セルフタイマーが起動してから
右手というのを知ったので、
顔が陰に隠れて暗くなることに
気付かなかったのは
ちょっと失敗だった。
次回は三人でベレー帽を被るか、
と言うと、一つしかないというので、
隊長殿に手編みのベレー帽をあと二つ
用意して頂く様、現在要請中。
( 何で手編みなんだよ〜? )
三人での敬礼記念写真は
ちょっと笑えるかなと
思ってやったんだけど、
すっかり忘れていたことがあった。
それは、やっているところを
他人に見られると
結構恥ずかしいではないか〜
ということだった。
敬礼記念写真を撮り終えて
1 分もしないうちに、
何と小屋で一緒だった人達が
降りて来たのだった。
三人とも檜洞丸の方を
向いてやっていたので、
思いっきり御対面になるところだった。
まあそれはそれでお笑いネタに
なったかもしれないけど。
そうやって危うく恥ずかしいところを
見られるところだった等と話していたら、
今度は降りて来た人達に日の丸隊長の
敬礼講習会が始まってしまった。 笑
一緒に休憩していた
カップルと女性に挨拶して、
私達は先に降り始める。
しばらくは狭くて
やや歩き難い急な降りが続く。
たまに振り返ると空はやはり青いが、
勾配が結構あるなぁ〜 と実感する。
ゴロゴロした歩き難い道を
降っていると、後からふじもとさんに
追い付かれてしまい、速いので先に
行ってもらうことにして道を譲る。
しばらく降っていると、ずっと先の方を
歩いているなんちゃってやまちゃんが、
何やら雄叫びを上げている。
何かあったんかなと思いつつ
追いついてみると、追い越して
行ったふじもとさんが、
沢沿いの方へ歩いて行ったそうだ。
正規のルートは右岸の斜面沿いの道
だけど、果たして何故だろう?
そっちの方が近いとか楽だとか、
知っていて進んだのなら
問題無いのだけど、もし知らずに
迷い込んだのだとしたら
問題だよね〜 という話。
三人で地図を眺めて見ると、
沢に沿っても終いには
西丹沢へ出ることは出来るみたい。
特に返事も無く、このまま居ても
仕方がないので先へ進む。
しばらくしてから再び、なんちゃって
やまちゃんの雄叫びが聞こえる。
姿が見えたんだろうか?
樹林帯の中から下の沢の堰堤付近で、
ふじもとさんを発見したらしく、
どうやら堰堤で行き詰っていたようだ。
声が届いたので、ここで待っていると、
ふじもとさんは少し戻って、
斜面の上の方から戻って来られた。
聞いたら、道を間違えて沢に
入ったそうで、時間が経たないうちに
見つかって良かった。
まあ富士の樹海や
冬山の吹雪状態とは違うので、
どうしても駄目そうなら
確実に来た道を戻れば解決するから、
そう深刻ではないけれど、
低山とはいえこういう事も、
起こる時には起こるもの。
皆さん、たまには
忘れかけている意識を呼び戻そう。
ここから先は 4 人で一緒に
沢沿いの道を降って行く。
左下の沢を見ながら、
もし沢沿いに進んでいたらどっか
戻れそうな所があるか探してみる。
ある程度進んた辺りで、
ここなら戻れそうだねぇ〜 という所は
あったけど、途中に落差の大き過ぎる
堰堤があって、あそこは
降りられないねぇ って感じだった。
やっぱり戻ることになっていたようだ。
少し進んだ開けた所で記念撮影。
この先はあまり写真を
撮る場所も無いだろう。
すぐ先の堰堤の横を通過する時、
下の沢を見ると、水の色が美しい。
それを見た日の丸隊長が、
あんな綺麗な沢なら
飛び込んでみたいけど、
冬に飛び込む奴は信じられん と
いうような声明を公式発表した。
普通なら何の不思議もない
極当たり前の発言なんだけど、
この公式発表が直後に
見事墓穴を掘ることになろうとは、
この時点では誰も知る由は無かった。
♪ ジャーン!! ♪
効果音は火曜サスペンス劇場
辺りが似合うかなぁ・・・?
私はどうも初対面の人の顔を名前を
覚えるのが、あまり得意ではない。
今回も青ヶ岳山荘の小屋番さんや
常連さん達の説明をされても、
なかなか顔と名前が一致しない。
あの人があ−でこ−で〜〜 という
話の時に、どの人だっけ? といつも
私が言うので、日の丸隊長から、
顔と名前を覚えるのが、上手くない
ですよね−、と突っ込まれてしまう。
まさに正解・・・ そう、苦手。
隊長程の特徴があれば
きっとすぐ覚えると思うぞぉ〜
この時は、小屋番さんの
西さんの話題だった。
私が、西さんてどの人だったっけ〜?
と相変わらずボケたことを言うと、
日の丸隊長が、素晴らしく
分かり易い返答をしてくれた。
【 私 】
西さんて、どの人だったっけ〜?
【 隊長 】
ほらほら、
春風亭小朝に似ている人!
【 私 】
あ−分かった、分かった〜!
すぐ分かった
【 隊長 】
ね、ね、似てるよね〜!?
【 私 】
確かに似てる、
とっても分かり易い〜〜
ヘタレ隊隊員は皆同じ意見だったけど、
他の方々はいかがだろうか?
ちょっと進むと、丸太橋を
渡って沢を越える所に来た。
沢付近での写真は撮ってなかったので、
ここらで記念写真を撮っておこうと思い、
記念撮影することを公式発表し、
カメラをセットし始める。
最初に日の丸隊長殿が
橋を渡り始めたのだが、
その時歴史が動いた・・・
いや、動いてない、
その時喜劇が起こった。
なんと日の丸隊長が丸太橋からこけて、
沢に滑落(?)してしまったのだ!
落ちたといっても、橋から水面まで
40 〜 50 cm 程度だし、水深も
せいぜい膝までくるかどうかという
非常に危険性は低いものなので、
まあ膝下が濡れちゃったぐらいで
終わりだと思っていた。
しかし喜劇の真髄は、
その直後に待ち受けていた。
落ちた直後に、おそらく足が
滑ってしまったらしく、
そのまま前に転倒してしまって
体全体が水没してしまった〜
効果音は冬のソナタの曲
なんてどうだろう・・・
衝撃のスクープ映像!
予期せぬ隊長の演出(?)に、
一瞬ギャラリーは凝固する・・・
しかし流石は日の丸隊長殿、
すぐに沢から脱出し、再上陸した。
( 台風か? )
私は記念撮影準備の為に
構図決めを行っていたので、
この水没記念行事は、
全てファインダーの中で
拝見させてもらった。
しかも有難い(?)ことに、
水没の瞬間に思わず指が
シャッターを押してしまい、
衝撃のスクープ映像が
撮れてしまったのだ。
青ヶ岳山荘の御飯も美味かったけど、
通常では出会えないことを考慮すると、
こっちの方が美味しいかも〜 ( ^O^ )
しかも周りの皆の公式声明は、
隊長大丈夫〜? ではなく、
カメラ大丈夫〜? だった。
やはりみんな良い仲間だ。 笑
いや決して冷たいわけではなく、
あの程度のアクシデントで
バスト 104 cm の強靭な肉体が
壊れるとは誰も思ってないのよ。
皆、頼りにしているんだよぉ〜〜
カメラを持っている者の本能とでも
いうのか、アクシデントの際には、
自分よりカメラを守ろうとするようだ。
やはり隊長も、しっかり右手に
持っていたカメラだけは
水面より上に上げていたようで、
カメラは無事だったそうだ。( 立派! )
とりあえず日の丸隊長は、
斜面の上に移動して
隠密お着替え作戦に着手する。
( 隠密って、皆見てるじゃないか )
しかし、着替え終わった
日の丸隊長の姿に哀愁を
感じるのは私だけだろうか・・・
それにしても面白過ぎる。
冬に沢に入るなんて信じられんと
言っておきながら、直後に自分が
入ってしまうのだから、
その後、散々笑いのネタに
なったことは言うまでもない。
前回この 3 人で谷川岳へ向かった時、
西黒尾根の途中で隊長が脱臼して
そのまま下山した過去があったので、
今回は何事も無くて良かったね〜 と、
話をしていた矢先だったのだ。
やはり最後まで気を抜いては
いかんということか・・・
しかし冗談抜きで、
体に負傷等が無くて良かった。
今回は服が濡れても、もう少しで下山だし、
その後はお風呂が待っていたから
思いっきり笑い話になったけど、
怪我の類だと笑えないからねぇ。
事件 ( 喜劇?) の起きた沢でしっかり
記念写真を収めて、現場を後にする。
沢沿いに整備の行き届いた道を進むと、
向こうに用木沢出会いが見えてきた。
ここから西丹沢自然教室までは、
しばらくアスファルトの道路を歩く。
当然話題は、
終始水没記念行事だった。
自然教室まで歩く途中、
私達がバスで移動する話をすると、
ふじもとさんから、車なので一緒に
どうぞと、有難いお話を頂いて
しまい、乗せて頂くことに。
西丹沢自然教室に着いて一息ついて
いると、青ヶ岳山荘で一緒だった
カップルが後から到着したけど、
日の丸隊長は自ら沢に落ちたことを
とても楽しそうにアピールしていた。
やっぱり笑い話じゃないか〜 笑
その後、ふじもとさんの車で
中川の「ブナの湯」 まで
乗せて行って頂いた。
なんか見たことあるなぁ〜と
思っていたら、3 年前に OFF 会で
青ヶ岳山荘へ来た時も、帰りにここへ
立ち寄ったことを思い出した。
温泉の中で湯船に浸かっていると、
日の丸隊長殿から重みのある公式発言。
「 お湯は良いねぇ・・・ 」
登山の後のお風呂はそれだけでも
気持ちの良いものだけど、
水没記念行事の後だから尚更だろうね〜
外の露天風呂に移動してみると、
お湯が熱いじゃないか〜!
出ると寒いし、入ると熱いし、
もうちょっと何とかしてよ。
お風呂から出た後、休憩室へ行くと、
なんちゃってやまちゃんは寝ている。
殿方チームは
ちょっと長湯だったからね。
向こうの方の TV から、
何やら地震だか津波だかで
どうのこうのというニュースが
流れていたけど、その時はまさか、
こんなに大きな災害になる
インドネシアの津波だとは
思ってもみなかった。
温泉を出ると、私達は新松田の駅
まで再び送ってもらった。
途中でちょっと雨が降り出し、
都心も降っているのだろうかと
ちょっと不安になってしまう。
駅で降ろしたもらった後、
なんちゃってやまちゃんは
知り合いの山屋さんと偶然会っていた。
私は切符を買う時に、登山靴の紐を
締めなかった怠慢が不幸をもたらし、
こけてちょっと手を痛めてしまった。
おまけにプロトレックの腕時計が
ちょっと損傷してしまうし・・・
天命的な災難は仕方がないけど、
自分の怠慢による災難は出来る限り、
自分で減少させなくては
ならないと思わされる出来事だ。
新宿には 17 時頃到着し、
しばらく居酒屋でお疲れ様会を
やって、帰宅したのは 21 時前。
流石にこの日は久しぶりの山歩きで
疲れたようで、早く寝た。
この後、ずっと年内は肩や脚が痛かった。
今回出かけた青ヶ岳山荘は、
常連客の溢れるボランティア精神に
よって支えられている面があり、
そのせいか、実にほのぼのとした
暖かい空気が根付いている。
アルプスクラスの山小屋は、
結構スタッフが忙しく動き回って
いることが殆どだけど、
ここは一緒になって登山者と
マッタリする為、スタッフも
非常に独特の喉かな雰囲気に
なってしまう珍しい山小屋だ。
こういう小屋は貴重だと思うので、
これからもこういう雰囲気を
大事に育てて欲しいと思う。
今回は青ヶ岳山荘へ
何も差し入れを持って行って
なかったので、次回出掛ける時は
是非皆さんの好物の日本酒を
持って行きたいと思う。
お世話になった方々、
有難う御座いました〜〜